原子力の基礎に関すること

原子力分野の最先端研究機関『東大MALT』

東京大学マルチラテラル連携研究機構(東大MALT)とは、原子力分野における最先端研究開発を担う機関です。国内外の産学官の研究者・技術者が連携して、原子力エネルギーや放射線利用の進歩に貢献しています。東大MALTの特徴は、多様な研究者や組織が参加して共同研究を行う、マルチラテラル(多国間)連携にあります。この連携により、従来は困難だった大規模で複雑な研究プロジェクトに取り組むことが可能となり、原子力分野のイノベーションを加速しています。
原子力施設に関すること

冷中性子源装置を知る

冷中性子源装置とは、原子核反応によって発生する熱中性子をさらに低温にすることで特殊な性質を持った冷中性子を生み出す装置です。冷中性子は熱中性子よりも波長が長いため、物質との相互作用がより弱く、物質の内部構造をより詳しく調べるのに適しています。冷中性子源装置は、基礎的な物理学の研究から、医療診断や産業利用まで、幅広い分野で活用されています。例えば、結晶構造の解析や磁性体の研究、非破壊検査や材料科学の研究などに使用されています。
放射線防護に関すること

原子力用語を解説:国民線量とは?

-国民線量の定義-国民線量とは、日本国内に居住する国民一人一人が1年間に被曝する放射線の量のことです。国際原子力機関(IAEA)においては、国民線量は人口1人1年当たりの外部被曝線量および内部被曝線量を併せたものを指すとされています。国民線量の単位は、シーベルト(Sv)です。1シーベルトは、健康に有害とされるレベルの放射線量を表します。
原子力の基礎に関すること

原子力用語「クラッド」の2つの意味

原子力発電では、燃料の放射性物質を外部に放出しないために、「クラッド」と呼ばれる被覆材を使用しています。クラッドは金属製の薄い管状の筒で、燃料を内包して密封します。このクラッドは、燃料が反応によって発生する熱と圧力に耐え、放射線を遮断する重要な役割を担っています。また、燃料が崩壊した際に生じる破片を閉じ込めて環境への拡散を防ぐ効果もあります。
原子力施設に関すること

原子力におけるCANDU炉とは?特徴と仕組みを解説

特徴的な設計CANDU炉は加圧重水炉(PHWR)の一種であり、重水(D2O)を減速材と冷却材として使用しています。この設計により、通常の水炉とは異なる特徴を備えています。天然ウランの使用CANDU炉の大きな利点の一つは、天然ウランを使用できることです。ほとんどの水炉は濃縮ウランを必要としますが、CANDU炉は天然ウランを直接使用できます。これにより、燃料費が削減され、ウラン採掘への依存度が低減します。オンライン給油CANDU炉は、原子炉を停止することなく燃料を交換できるオンライン給油機能を備えています。このため、計画外の停止を減らし、プラントの可用性を向上させることができます。高度な安全機能CANDU炉は、堅牢な安全機能も備えています。二重の安全遮断システムは、原子炉の急速な停止と冷却を確保します。また、原子炉容器は二重壁構造になっており、放射性物質の放出を防止します。
原子力施設に関すること

ポリテトラフルオロエチレン:原子力から身近な製品まで

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、フッ素原子と炭素原子が交互に結合してできた合成樹脂です。フッ素の中でも最も安定しており、耐薬品性、耐熱性、耐候性に非常に優れています。この特異な性質により、PTFEは幅広い用途で用いられています。
その他

形質転換:遺伝子操作の基礎

形質転換とは、遺伝子操作の手法の一種です。特定の遺伝子または遺伝子の一部を目的とする生物に導入することで、その生物の遺伝情報を操作します。このプロセスでは、プラスミドと呼ばれる小さな円形DNA分子が使用されます。プラスミドには、導入する望ましい遺伝子と、標的生物の細胞内で複製するための遺伝子を含んでいます。形質転換は、生物の特性を改善したり、新しい特性を追加するために使用されます。たとえば、病害抵抗性のある作物や、人間疾患の治療に使用するタンパク質を生成する微生物を作成するために使用されています。形質転換は、生物学の研究にも使用され、遺伝子の機能や生体における役割を解明するために活用されています。
原子力の基礎に関すること

核分裂生成物の収率とは?

-核分裂生成物の定義-核分裂生成物とは、ウランやプルトニウムなどの重原子核が核分裂によって放出される中性子数や質量数が異なる一連の原子核の総称です。核分裂は、重原子核が高速中性子と衝突してより軽い2つまたは3つの原子核に分裂するプロセスです。生成される原子核の質量数は通常、90~160の範囲にあり、中性子過剰状態であるため不安定で、ベータ崩壊やガンマ崩壊によってより安定な原子核へと変換されます。
その他

大気大循環モデル(AGCM)ってなに?

大気大循環モデル(AGCM)とは、大気の挙動をシミュレーションするために開発されたコンピュータプログラムです。大気中の物理法則からなる数学的な方程式を解くことで、大気中の風、気温、湿度などの状態を時間的に予測します。AGCMは、気候変動の予測、天候予報の改善、気候変動の影響評価など、さまざまな目的で使用されています。
放射線防護に関すること

ラドンとは?放射性希ガスの性質と影響

-ラドンの性質と特徴-ラドンは、無色無臭の放射性希ガスです。空気よりも重く、土壌や岩石中に存在します。ラドンは崩壊して他の放射性元素、特にラドン娘核種と呼ばれる粒子を放出します。ラドン娘核種は、肺に吸い込まれると肺がんのリスクを高めることが知られています。ラドンは、家の床下や地下室から放出されることが多く、換気が不十分な建物では高濃度になる可能性があります。ただし、屋外でも空気中にラドンが存在し、土壌や岩石が多く存在する地域では濃度が高くなる傾向があります。居住地のラドン濃度を知ることは、肺がんのリスクを軽減するために重要です。
原子力の基礎に関すること

原子力用語『電離』の基礎知識

原子力用語『電離』の基礎知識電離とは何か?電離とは、物質が電子を失ったり得たりして、正あるいは負の電荷を帯びる現象のことです。電離した物質はイオンと呼ばれます。電離は、物質に十分なエネルギーが加えられたときに起こります。このエネルギーは、熱、光、放射線などのさまざまな源から得ることができます。電離が起こると、物質の化学的性質や電気的性質が変化します。
その他

原子力用語:性染色体とは?

性染色体とは、生殖に関連する遺伝情報を保持する染色体のことです。2 種類あり、X 染色体 と Y 染色体 と呼ばれます。XX は女性、XY は男性に存在します。X 染色体は性別に関係なく、身体の発育や機能に重要な遺伝子を保持します。Y 染色体は主に男性に特有の特徴を決定し、精子形成に役立ちます。
核燃料サイクルに関すること

原子炉用語『ミルキング』 〜親核種から娘核種を搾り取る〜

原子炉用語における「ミルキング」とは、親核種から娘核種を分離・抽出するプロセスを指します。このプロセスでは、親核種が崩壊して娘核種を生成し、その娘核種を化学的手段で親核種から分離します。ミルキングは、特定の核種の生産や放射性廃棄物の管理において重要な役割を果たしています。このプロセスにより、安定した娘核種を生成したり、半減期が短い娘核種を親核種から分離して廃棄したりすることができます。
放射線防護に関すること

空間放射線量率とは?測定方法と意義を解説

-空間放射線量率の定義-空間放射線量率とは、特定の空間における単位時間当たりに放出される電離放射線の量を指します。大気中の放射性物質から放出されるガンマ線や、宇宙線と呼ばれる高エネルギー粒子の影響を測定します。通常、マイクロシーベルト(μSv) प्रति घण्टा प्रति घंटा)という単位で表されます。空間放射線量率は、場所や時間によって大きく異なるため、環境中の放射線レベルを正確に把握するために測定することが重要です。
原子力の基礎に関すること

ハルデン計画→ 国際原子力協力とイノベーション

ハルデン計画は、1958年にノルウェーで設立された国際的な原子力研究開発プログラムです。この計画は、重水炉の設計、運転、安全性の向上を目的としています。重水炉は、通常の水を使用する軽水炉よりも、核分裂反応を制御しやすく、より効率的なエネルギー生産が可能とされています。ハルデン計画は、20か国以上が参加する国際的な協力プロジェクトです。参加国は、技術、資源、知識を共有し、重水炉技術の進歩に貢献しています。この計画は、原子力安全、環境保護、持続可能なエネルギー生産の促進に焦点を当てています。
廃棄物に関すること

原子力用語「TRU廃棄物」とは?

TRU廃棄物の分類TRU廃棄物は、放射能の強さによって以下の3つのカテゴリーに分類されます。* -廃棄物グループ1 (WG1)- 最も放射能が強く、50年以上隔離が必要。使用済み核燃料や再処理施設から発生する高レベル放射性廃棄物。* -廃棄物グループ2 (WG2)- 放射能はWG1より弱いものの、それでも10〜50年の隔離が必要。使用済み核燃料の被覆材や再処理施設から発生する中レベル放射性廃棄物。* -廃棄物グループ3 (WG3)- 放射能は低く、5〜10年の隔離で十分。実験用の器具や使用済みフィルターなど、低レベル放射性廃棄物。
その他

エネルギー憲章に関する条約とは?

エネルギー憲章に関する条約の起源と目的エネルギー憲章に関する条約は、冷戦後のエネルギー安全保障と市場の安定性確保を目的として制定された国際条約です。1994 年に 51 か国によって署名され、1998 年に発効しました。この条約は、旧ソ連の崩壊後に発生したエネルギー安全保障上の懸念に対処することを目指しています。ソ連の崩壊前は、東欧諸国はソ連からエネルギーを供給されていました。しかし、崩壊後、これらの国は新たなエネルギー源を確保する必要に迫られました。エネルギー憲章に関する条約は、市場の透明性と予測可能性を確保し、エネルギー貿易を促進するための枠組みを提供します。この条約は、投資の保護、紛争解決メカニズムの確立、持続可能なエネルギーの開発の促進など、幅広い分野をカバーしています。
原子力の基礎に関すること

原子力の基礎知識 – 臨界未満とは?

臨界未満とは、核分裂反応が持続的に起こらない状態を指します。核分裂反応は、原子核が中性子と衝突して分裂する反応です。この反応では、エネルギーが放出され、さらに中性子が生じます。臨界未満では、生じた中性子がさらに別の核分裂を引き起こすのに十分な数に達しません。そのため、反応は持続せず、エネルギーは放出されません。
廃棄物に関すること

放射性液体廃棄物の基礎知識

-放射性液体廃棄物とは?-放射性液体廃棄物とは、放射性物質を含む液体のことです。原子力発電所や医療機関、研究機関などから排出されます。放射性物質は、ウランやトリウムなどの重元素の原子核が崩壊して放出される粒子やエネルギーです。これらの粒子やエネルギーは、人体に害を及ぼす可能性があります。
核燃料サイクルに関すること

原子力用語「チョップ・アンド・リーチ」とは?

使用済燃料の再処理工程とは、使用済燃料中に含まれる未燃焼プルトニウムやウランなどの再利用可能な物質を回収し、再び原子力燃料として利用できるようにするプロセスです。この工程では、使用済燃料中の放射性物質を化学的に分離し、プルトニウムやウランを取り出します。再処理工程により、天然ウランの使用量を削減し、ウラン資源の有効利用を図ることができます。また、使用済燃料中の放射性廃棄物の量を減らすことで、最終処分地の容量を節約する効果もあります。
原子力施設に関すること

原子力で発生する放射性気体とは?

-放射性気体の定義-放射性気体とは、原子核の崩壊によって発生する気体のことであり、その崩壊過程において放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)を放出します。この放射線は、人体や環境に有害な影響を及ぼす可能性があります。放射性気体は通常、ウランやプルトニウムなどの重元素の崩壊によって生成されます。これらの気体は、原子力発電所や核兵器の爆発などの核関連活動から放出されるだけでなく、自然界にも存在しています。
廃棄物に関すること

マルクール商用廃棄物ガラス固化施設(AVM)とは?

マルクール商用廃棄物ガラス固化施設(AVM)の概要マルクール商用廃棄物ガラス固化施設(AVM)は、マルクール再処理施設で発生する高レベル放射性廃棄物を安定化・固形化する目的で作られた施設です。この施設では、硝酸ウラニル・プルトニウム(URANEX)と呼ばれる液体状の廃棄物を、ホウケイ酸ガラスに封入するヴィトリフィケーション工程が行われます。完成したガラス固形体は、長期保管処分に向け、鋼製容器に収容されます。
その他

原子力エネルギー協会(NEI)とは?

-NEIの目的と使命-原子力エネルギー協会(NEI)の主要な目的は、原子力産業の健全性と信頼性を促進することです。この組織は、核エネルギーの安全、信頼性、経済性の向上に取り組んでいます。NEIは、会員企業と協力して、原子炉の運転と維持に関する最高の慣行を確立し、規制当局との調整も行っています。さらに、NEIは、原子力エネルギーが持続可能で環境に優しいエネルギー源であることを一般に伝える取り組みも行っています。
その他

原子力に関する王立工学院の役割

王立工学院の設立と役割王立工学院は、1851年の大博覧会を受けて1853年に設立されました。学院は、産業革命によって引き起こされた技術革新に対応し、科学と技術の分野における高度な教育と研究を提供することを目的としていました。当初は技術の向上と応用に重点を置いていましたが、その後、原子力研究の拠点としても注目されるようになりました。