減損ウランとは何か?基礎知識から用語解説まで

原子力を知りたい
減損ウランについて教えてください。

原子力マニア
減損ウランとは、ウラン濃縮施設で発生するウラン235濃度が0.2〜0.3%の廃棄濃度ウランのことです。また、原子炉内で燃焼させることでウラン235濃度が使用前に比べて低下したウランも減損ウランと呼ばれます。

原子力を知りたい
米国では減損ウランの扱いが異なるそうですね。

原子力マニア
はい、米国では軽水炉の使用済燃料を直接処分するため、減損ウランは主にウラン濃縮施設で発生する廃棄濃度ウランを指します。
減損ウランとは。
「減損ウラン」という用語は、以下の2種類の意味で使われています。
-1. 濃縮ウラン製造時の廃棄物-
ウラン濃縮施設で発生する、ウラン235濃度が0.2~0.3%にまで低下したウラン。
-2. 原子炉で使用されたウラン-
原子炉内で燃焼されたことで、ウラン235濃度が使用前よりも低下したウラン。
この2つの意味は、しばしば「劣化ウラン」という同義語で呼ばれます。日本では、両者の用法に明確な区別はありませんが、再処理施設で分離されたウランに対しては、「減損ウラン」や「劣化ウラン」ではなく、「回収ウラン」と呼ばれることが多いです。一方、米国では軽水炉の使用済み核燃料を再処理せず直接処分するため、通常「減損ウラン」は濃縮ウラン製造時の廃棄物だけを指します。
減損ウランの定義

-減損ウランの定義-
減損ウランとは、放射性物質であるウラン238の濃度が低いウランです。自然に存在するウランの中では最も豊富な同位体で、天然ウランの約99.3%を占めます。減損ウランは、核兵器の生産に使用されるウラン235を取り除く過程で生成されます。その結果、ウラン238の濃度が高くなり、放射能が低くなります。
ウラン濃縮施設で発生する減損ウラン

減損ウランは、ウラン濃縮プロセスで発生します。ウラン濃縮とは、天然ウランに含まれるウラン235の濃度を高めるプロセスです。
ウラン濃縮では、遠心分離機のような機器を使用して、ウラン235をウラン238から分離します。この分離プロセスでは、ウラン238が濃縮され、ウラン235が希釈された「減損ウラン」が生じます。減損ウランは、ウラン238の濃度が高く、ウラン235の濃度は天然ウランよりも低くなります。
原子炉内で燃焼した減損ウラン

原子炉内で燃焼した減損ウランは、原子力発電所の核分裂反応で発生した副産物です。原子炉内でウラン燃料が分裂すると、核分裂生成物と呼ばれる物質が発生します。この生成物のうち、ウラン235(濃縮ウラン)とウラン238が減損ウランとして再利用されます。減損ウランは、ウラン235の濃度が低く、放射能レベルも低下しています。そのため、様々な用途に使用することが可能です。
米国における減損ウランの政策

米国における減損ウランの政策は、複雑かつ物議を醸している問題です。減損ウランは、核兵器の製造に使用される高濃縮ウランの副産物です。米国は、減損ウランを劣化ウラン弾(DU弾)の製造に使用しており、これは軍で使用されている貫通力の高い弾丸です。
米国は、DU弾は安全で効果的であると主張していますが、批評家は、DU弾が人体に有害な影響を与える可能性があると懸念しています。科学者の一部は、DU弾が癌やその他の健康問題を引き起こす可能性があると主張しています。また、DU弾は環境汚染の原因となり、将来の世代に悪影響を及ぼす可能性もあります。
米国は、DU弾を軍事作戦での正当な武器として使用することができると主張していますが、批評家は、DU弾の使用は国際法に違反していると主張しています。DU弾は非人道的兵器であると主張し、その使用を禁止するよう求める声も高まっています。
日本における減損ウランと劣化ウランの用法

日本における減損ウランと劣化ウランの用法
日本では、減損ウランと劣化ウランは主に非核の軍事用途に用いられています。減損ウランは、弾丸や装甲貫通体の材料として使用されています。これらの弾丸は、標準の弾丸よりも高い貫通力を持っています。一方、劣化ウランは、戦車の装甲や対艦ミサイルの弾頭にも使用されています。劣化ウランの重量と密度は、従来の金属よりも優れているため、防御力を高め、破壊力を向上させます。また、劣化ウランは、医療分野でも使用されています。例えば、がん治療における遮蔽材として、放射線保護具に使用される鉛の代替品として利用されています。