原子力用語『臨界』のわかりやすい解説

原子力を知りたい
臨界とはどのような状態ですか?

原子力マニア
臨界とは、中性子の生成と消失の均衡が保たれている状態です。このとき、体系内の実効増倍率は1になります。

原子力を知りたい
即発臨界と遅発臨界の違いを教えてください。

原子力マニア
即発臨界は即発中性子のみで臨界になるのに対し、遅発臨界は遅発中性子も考慮に入れて臨界になります。
臨界とは。
原子力の世界では、「臨界」という用語がよく使われます。これは、核分裂反応において、中性子の発生と消失がバランスしている状態を指します。
原子炉では、構造の表面から中性子が逃げるため、実効増倍率(k−eff)と呼ばれる中性子の増加率が考慮されます。臨界状態では、この実効増倍率が1になります。
通常、臨界という言葉を使うときは、即発中性子と遅発中性子の合計を考慮します。遅発中性子が必要である場合、これを「遅発臨界」と呼びます。一方、即発中性子だけで臨界になる状態を「即発臨界」と呼んでいます。
臨界に達していない状態を「臨界未満」または「未臨界」、臨界を超えた状態を「臨界超過」または「超臨界」と呼びます。
原子炉を臨界状態にするには、一定量の核分裂物質が必要です。この量は、燃料や減速材の種類、形状によって決まります。
臨界とは何か?

原子力用語における「臨界」とは、核分裂反応が継続的に連鎖して起こり続ける状態のことです。この状態では、核分裂によって放出された中性子がさらに別の原子核を分裂させ、その際に放出された中性子がさらに別の原子核を分裂させるという連鎖反応が継続します。この連鎖反応により、莫大なエネルギーが短時間に放出され、原子炉や原爆のエネルギー源となります。臨界状態を維持するためには、核分裂によって放出される中性子の数を制御することが必要で、これを制御することで原子炉の出力を調整したり、原爆の爆発を制御したりしています。
実効増倍率と臨界

実効増倍率とは、原子炉で生成された中性子が、1世代後に生み出す中性子の平均数を表す指標です。この値が1の場合、連鎖反応が維持されており、原子炉は臨界状態にあります。実効増倍率が1より大きいと連鎖反応が強まり、臨界を超過して原子炉が暴走する恐れがあります。逆に、実効増倍率が1より小さいと連鎖反応が弱まり、原子炉は臨界未満になり、停止します。
原子炉の臨界状態を制御するためには、制御棒と呼ばれる棒材が用いられます。制御棒は中性子を吸収する性質があり、実効増倍率を調整することで臨界状態を維持しています。制御棒を挿入すると実効増倍率が低下し、臨界未満になります。逆に、制御棒を引き抜くと実効増倍率が上昇し、臨界超過を招きます。
即発臨界と遅発臨界

-即発臨界と遅発臨界-
原子力分野において、「臨界」とは、核分裂反応が自己持続的に連鎖反応を起こす状態を指します。この臨界は、「即発臨界」と「遅発臨界」の2種類に分類されます。
-即発臨界-核分裂反応が瞬時に連鎖的に起こり、莫大なエネルギーが短時間で放出される状態です。この状態は、大量の核分裂性物質が急激に集合することで発生します。原子爆弾の爆発は、即発臨界によるものです。
-遅発臨界-核分裂反応が時間の経過とともに徐々に連鎖的に起こる状態です。この状態は、核分裂性物質の集合量が少ない場合や、反応を制御するメカニズムが働いている場合に発生します。原子力発電所では、遅発臨界が制御された状態で核分裂反応が行われ、電力を発電しています。
臨界未満と臨界超過

臨界未満状態とは、原子炉内で原子核分裂の連鎖反応が持続できない状態を指します。この状態では、分裂によって生じた中性子が十分に周囲の原子核を打ち当てて新たな分裂を引き起こすことができません。そのため、反応は次第に減衰して消滅します。
逆に、臨界超過状態とは、原子炉内で原子核分裂の連鎖反応が自己維持できる状態を意味します。この状態では、分裂によって生じた中性子の数が、新たな分裂を起こすために必要な中性子の数を上回り、反応は指数関数的に増幅していきます。この状態が制御不能になると、原子炉の暴走につながる危険性があります。
臨界度に影響する要因

臨界度に影響を与える要因は複数あります。まず重要なのが、核燃料の濃縮度です。濃縮度が高い燃料は、臨界度を上昇させ、より容易に臨界状態に達します。次に、燃料の形状も影響します。球形や円筒形などの対称的な形状は、臨界度を下げます。また、燃料のサイズも重要な要因です。燃料の体積が大きいほど、臨界度も高くなります。
さらに、燃料を取り巻く環境も臨界度に影響します。例えば、燃料を水や重水などの減速材に囲むと、中性子の速度が低下し、臨界度が上昇します。また、燃料の周りの反射体の存在も、中性子を閉じ込めて臨界度を上昇させます。