原子力用語「LFCM」とは?

原子力用語「LFCM」とは?

原子力を知りたい

LFCMって何ですか?

原子力マニア

LFCMとは、高レベル廃液をガラス固化する方法の一つです。

原子力を知りたい

どうやってガラス固化するんですか?

原子力マニア

溶融したガラスに電流を通し、その熱でさらに溶融させます。炉内温度は1100~1200℃に制御されます。

LFCMとは。

高レベル放射性廃液の処理方法である「液体供給セラミックメルター(LFC)」をご紹介します。

この方法は、動力炉・核燃料開発事業団(現在の核燃料サイクル開発機構)によって開発されました。1988年からは東海事業所で技術開発施設の建設が開始されました。

LFCでは、セラミック(耐火レンガ)製の炉を用い、ガラス固化処理を行います。高レベル放射性廃液を液体状のまま他のガラス原料と一緒に炉に連続供給し、そこで溶融します。

ガラスは高温になると電気を通す性質を持つため、SiOヒーターやマイクロ波加熱で溶融点近くまで加熱します。その後、炉内の電極からガラスに直接電流を通し、発生する熱(ジュール熱)でガラスを溶融します。この時の炉内温度は1,100~1,200℃に制御されています。

溶融したガラスはノズル(フリーズバルブ方式)からキャニスターに注ぎ込まれ、ガラス固化体となります。

LFCMとは何か?

LFCMとは何か?

LFCM(Lead Fast Reactor with Closed Fuel Cycle)とは、高濃縮ウラン燃料を用いた高速増殖炉の一種です。高速炉とは、中性子を減速させずに利用する炉型を指し、減速材を使用しないため熱中性子炉よりも高エネルギーの中性子を利用できます。LFCMでは、この高エネルギーの中性子をウラン238原子核に照射することでウラン239を生成し、さらにウラン239はプルトニウム239へと変換されます。このプルトニウム239が燃料として利用されるため、LFCMは燃料を自己増殖することができます。

LFCM開発の経緯

LFCM開発の経緯

LFCM開発の経緯

LFCMは、1990年代半ばにフランスで開発が始まりました。当時は、核燃料サイクルにおいてプルトニウム利用技術が進んでいましたが、核拡散リスクや廃棄物処理の課題がありました。LFCMは、プルトニウムを燃焼して安定した廃棄物に変換する技術として注目されました。

LFCMの研究開発は、フランスの原子力研究所(CEA)が中心となって進められました。2000年代に入ると、日本や米国も研究開発に加わり、国際的な共同開発プロジェクトが進められました。その後、2010年にフランスではLFCMの実証炉である「アストリッド」の建設が始まりました。アストリッドは、2035年頃の運転開始を目指しています。

LFCMの仕組み

LFCMの仕組み

LFCMの仕組み

LFCMは、核分裂反応に伴って発生する高速中性子を減速させるための核燃料としての液体燃料を使用する原子炉です。具体的には、液体鉛ビスマス金属合金に溶解したウランまたはプルトニウムからなる溶融燃料を使用します。この溶融燃料は、循環系で原子炉炉心を通過し、核分裂反応が行われます。

減速材には、軽水などの従来の原子炉で使用される水ではなく、液体鉛ビスマスが使用されます。液体鉛ビスマスは、中性子の減速能に優れ、核分裂反応を効率的に維持するのに役立ちます。また、液体であるため、熱交換や燃料処理などの操作が容易です。

LFCMの利点

LFCMの利点

-LFCMの利点-

LFCM(Lead-cooled Fast Reactor)の利点は多岐にわたります。

まず、燃料効率が高いという点が挙げられます。LFCMはプルトニウムを燃料として使用するため、熱効率が非常に高く、ウラン燃料を使用する従来型原子炉と比べて燃料の使用量を抑えることができます。

また、廃棄物の発生量が比較的少ないことも利点です。LFCMではプルトニウムを再利用することができ、廃棄物の量を大幅に削減できます。さらに、発生する廃棄物は放射能レベルが比較的低く、廃棄物処理が容易です。

さらに、安全性の高い運転が期待できるという利点もあります。LFCMは液体鉛を冷却材として使用するため、水のような従来の冷却材と比べて沸騰する温度が高く、安全性の高い運転が可能です。また、鉛の熱容量が大きいことから、事故の際に熱が蓄えられるため、短時間で被害が拡大することを防ぐことができます。

LFCMの課題

LFCMの課題

LFCMの課題

LFCMの開発と実装には、いくつかの課題があります。まず、核燃料として使用される核分裂性物質の入手が難しいという問題があります。次に、LFCMは従来の軽水炉よりも高温で稼働するため、耐熱性に優れた構造材料の開発が必要です。さらに、LFCMの冷却材である溶融鉛ビスマスは中性子減速能が低いため、核反応性が制御しづらく、臨界事故が発生するリスクがあるという課題もあります。これらの課題を克服するための技術開発や安全性の向上に取り組むことが、LFCMの実用化に向けて不可欠です。