原子力用語「骨髄幹細胞」を解説!

原子力を知りたい
先生が教えてくれた『骨髄幹細胞』って、骨髄にだけあるんですか?

原子力マニア
その通りです。骨髄幹細胞は、骨髄と呼ばれる骨組織に囲まれた部分にのみ存在します。

原子力を知りたい
骨髄幹細胞は放射線に敏感なんですよね。どういう影響があるんですか?

原子力マニア
放射線にさらされると、骨髄幹細胞が分裂できなくなり、末梢血液中の細胞が欠乏します。これが、放射線障害で起こる『骨髄死』と呼ばれる致死的な状態につながります。
骨髄幹細胞とは。
「骨髄幹細胞」は、原子力関連用語として知られる幹細胞の一種です。骨髄に存在し、骨髄とは骨の内部にある、血液細胞の産生と免疫機能を担う組織のことです。
血液細胞は、骨髄内の赤色髄で幹細胞が分裂して機能的な細胞に分化し、その後、末梢血液へと放出されます。この幹細胞は、細胞再生系に属するため、放射線に非常に敏感です。
放射線を浴びると、急性障害として「骨髄死」が発生する場合があります。これは、幹細胞の分裂が障害されることで、末梢血液中のさまざまな血液細胞が欠乏し、それが直接的な死因となります。動物実験では、2~10Gyの放射線を照射すると、多くの場合、30日以内に骨髄死で死亡することがわかっています。
なお、骨髄死は骨髄移植によって救命できる可能性があります。
骨髄幹細胞とは?

-骨髄幹細胞とは?-
骨髄幹細胞とは、骨髄と呼ばれる組織に見られる未分化な細胞です。この細胞は、自己複製能力を持ち、分化してさまざまな種類の血液細胞になることができます。主な分化先には、赤血球、白血球、血小板があり、これらの細胞は体のさまざまな機能を担っています。
骨髄とは?

-骨髄とは?-
骨髄は、骨の中心にある柔らかい、ゼリー状の組織です。2種類あり、赤い骨髄と黄色い骨髄があります。赤い骨髄は、主に血液細胞、つまり赤血球、白血球、血小板を生成しています。また、骨髄幹細胞と呼ばれる、あらゆる種類の血球に分化できる万能細胞も発生させます。黄色い骨髄は、主に脂肪細胞で構成され、血液細胞の産生にはほとんど関与していません。骨髄は、骨の健康と血液系の正常な機能にとって不可欠な組織です。
骨髄幹細胞の放射線感受性

-骨髄幹細胞の放射線感受性-
骨髄幹細胞は、放射線に対して非常に敏感です。放射線にさらされると、骨髄幹細胞は損傷を受けたり死滅したりします。これが、放射線治療の副作用の一因となります。放射線治療では、癌細胞を殺傷するために放射線が使用されますが、放射線は骨髄幹細胞にも影響を与えます。そのため、放射線治療後は骨髄抑制(血液細胞の産生低下)が起こることがあります。
放射線障害における骨髄死

-放射線障害における骨髄死-
放射線障害とは、高レベルの放射線にさらされることで生じる健康被害です。放射線が人体を貫通すると、細胞内の遺伝物質(DNA)が損傷を受けます。特に、急速に分裂する細胞は放射線の影響を受けやすく、骨髄もその一つです。
骨髄は、血液細胞を産生する組織で、骨の中心に位置しています。放射線により骨髄が損傷されると、新しい血液細胞の産生が低下し、骨髄死と呼ばれる状態に陥ります。骨髄死が重度になると、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞が極端に不足し、生命を脅かす状態になります。
骨髄死は、放射線治療などの医療目的の照射で起こる場合もありますが、原発事故や核兵器の使用などの大規模な放射線被曝でも発生します。被曝量が多いほど、骨髄死のリスクが高くなります。骨髄死の症状には、貧血、免疫機能の低下、感染症への抵抗力の低下などがみられます。
骨髄移植による救命の可能性

骨髄移植による救命の可能性
骨髄移植は、特定の種類の癌や血液疾患の治療法として使用される重要な手段です。骨髄は、幹細胞を含む血液細胞を産生する組織です。癌や疾患によって骨髄が損傷すると、健康な骨髄細胞が必要になります。
骨髄移植では、健康なドナーから骨髄細胞を採取し、患者の体内に戻します。この細胞は、患者の損傷した骨髄を置き換え、健康な血液細胞の産生を再開します。骨髄移植は、白血病、リンパ腫、鎌状赤血球症などの疾患の救命治療に役立ちます。
骨髄移植を受ける患者は、通常、治療の前に化学療法や放射線療法を受けます。これにより、癌細胞や疾患による骨髄の損傷が取り除かれます。移植後、患者は抗拒反応を予防するために免疫抑制剤を服用します。この治療には、感染症や他の合併症のリスクがありますが、治癒の可能性を高める上で重要な役割を果たします。