ABWRの仕組みと特徴

原子力を知りたい
先生、ABWRの略称を教えてください。

原子力マニア
ABWRは「Advanced Boiling Water Reactor」の略称です。

原子力を知りたい
ありがとうございます。ABWRの目的を教えてください。

原子力マニア
ABWRは、従来の沸騰水型炉よりも信頼性や安全性、経済性を向上させることを目的としています。
ABWRとは。
原子力用語である「ABWR(アブワー)」は「改良型沸騰水型発電炉」を表します。従来の沸騰水型炉(BWR)を改良したもので、信頼性、安全性、稼働率、設備利用率、廃棄物量の削減、運転性、保守性、経済性を向上させることを目指しています。改良された主な設備は以下の通りです。
1. インターナルポンプ(RIP)
2. 改良型制御棒駆動機構(改良型CRD)
3. 主蒸気流量制限器
4. 非常用炉心冷却設備(ECCS)
5. 鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)
6. タービン
7. 湿分分離加熱器
8. デジタル技術と新型中央制御盤
ABWRとは何か

ABWRとは何か
ABWR(Advanced Boiling Water Reactor)は、経済産業省が主導する次世代軽水炉開発プロジェクトの一環として開発された、沸騰水型原子炉(BWR)の一種です。通常のBWRと同様に、原子核分裂の熱で水を沸騰させ、その蒸気をタービンに通して発電を行います。ABWRの特徴は、高い安全性、経済性、環境性能を兼ね備えていることにあります。
従来のBWRとの違い

従来の沸騰水型軽水炉(BWR)とABWRの違いは、主に以下の3点です。
1. 自然循環冷却方式の採用従来のBWRでは、原子炉を循環する冷却水はポンプで強制的に循環させていましたが、ABWRでは自然循環式を採用しています。これにより、ポンプの故障による冷却水喪失の可能性が低減され、安全性が高められています。
2. プロセス制御方式の改善ABWRでは、原子炉の制御にデジタル制御システムを採用し、プラントの監視や制御をより効率的かつ安全に行っています。これにより、原子炉の安定性や稼働率が向上しています。
3. 事故対策機能の強化ABWRでは、原子炉圧力容器内に隔離冷却系を備えており、非常時には原子炉を長期的に冷却することができます。また、格納容器内の圧力を制御する圧力抑制プールを設置することで、内部の圧力が上昇する事故への対策を強化しています。
ABWRの安全性向上

-ABWRの安全性向上-
ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)は、安全性向上に重点を置いた設計になっています。それは、複数の安全機能を備え、事故が発生した場合の深刻な影響を最小限に抑えるように設計されています。
重要な安全機能の1つは自己消滅炉心(ESCS)です。これは、炉心が過熱した場合に原子炉を自動的に停止させるシステムです。ESCSは、炉心にある制御棒を自動的に挿入することで、核分裂連鎖反応を停止させます。
もう1つの安全機能は格納容器ベントシステムです。これは、原子炉格納容器内の圧力が上昇した場合に格納容器内の蒸気を外部に放出するシステムです。これにより、格納容器の破損を防ぎ、放射性物質の放出を抑えます。
さらに、ABWRは炉心冷却系(RCS)を分離した設計になっています。これにより、1つのRCSの事故が他のRCSに影響を与えるリスクを低減できます。
これらの安全機能により、ABWRは高い安全性レベルを達成しています。これは、原子力発電所が周辺地域に与えるリスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
ABWRの経済性向上

ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)は、その構造上の特徴から優れた経済性を実現しています。まず注目すべきは、炉心のコンパクト化です。ABWRでは、従来の沸騰水型炉と比べて炉心を約20%小型化することに成功しました。これにより、燃料集合体の数を減らすことができ、燃料費の削減につながります。
さらに、ABWRでは高燃焼度化が図られています。従来の沸騰水型炉では、燃料集合体の交換周期は約18か月でしたが、ABWRでは約24か月に延長されています。これにより、燃料交換の回数を減らすことができ、維持管理費の削減につながります。
また、ABWRは再循環ポンプ流量の低減により、運転コストの削減にも貢献しています。再循環ポンプは、炉心内の冷却材を循環させるためのポンプですが、ABWRでは設計を見直すことで流量を従来の50%程度まで低減しました。これにより、ポンプの消費電力を削減し、電気代を節約することができます。
以上の構造上の特徴を組み合わせることで、ABWRは優れた経済性を実現しています。燃料費、維持管理費、運転コストのそれぞれを削減することで、発電コストを低減し、発電事業者の収益性を向上させることに役立っています。
日本のABWR導入事例

日本の原発では、沸騰水型軽水炉である ABWR が積極的に導入されています。その代表的な例が、北海道電力の泊発電所と東北電力の女川発電所です。泊発電所は世界初の ABWR として 1996 年に運転を開始し、信頼性の高さや経済性で高い評価を得ています。一方、女川発電所は 2011 年の東日本大震災で甚大な被害を受けました。しかし、堅牢な設計 благодаряに、原子炉建屋は損傷を最小限に抑え、大事故は免れました。この事例によって、ABWR の安全性と信頼性が改めて実証されました。