放射線の吸収線量単位「ラド」の歴史と現在

原子力を知りたい
先生が説明してくださった原子力に関する用語の『ラド』についてもう少々理解したいのですが。

原子力マニア
わかりました。では、吸収線量を表す単位としての『ラド』についてもう少し具体的に説明しましょうか。

原子力を知りたい
はい、お願いできますか。吸収線量という概念もよくわかっていなくて。

原子力マニア
吸収線量とは、電離放射線が物質と相互作用して単位質量当たりに吸収されたエネルギー量のことで、ラドはこの吸収線量の旧CGS単位系での呼称ですね。現在では、シグレイ系での呼称であるグレイ(Gy)が広く使われています。
ラドとは。
「ラド」とは、放射線の吸収量を表す旧CGS単位系の単位です。電離放射線が物質に吸収されたエネルギー量を表し、1ラドは1グラムの物質に100エルグのエネルギーが吸収された場合に与えられます。
現在は、国際的にSI単位系の「グレイ」(Gy)が吸収線量の単位として使用されています。1グレイは1キログラムの物質に1ジュール(100ラド)のエネルギーが吸収された場合に与えられる単位です。
ラドとは何か

ラドとは、物質が放射線によって吸収するエネルギーの単位です。1ラドは、1キログラムの物质が100エルグのエネルギーを吸収したときの吸収線量に相当します。単位は「rad」で表されます。ラドという名称は、発見者のロバート・アブラムス(Robert Abram)博士の名前の頭文字に由来しています。
ラドの単位換算

ラドの単位換算では、放射線の吸収線量をラドと他の単位で表現するための換算について説明します。ラドはセンチグレイ(cGy)というSI単位に換算できます。1ラドは1cGyに等しく、両者は数値的に等しいことを意味します。また、ラドは吸収線量当量単位のレム(rem)にも換算できます。1ラドは0.01レムに等しく、ラドでの値を100で割るとレムでの値が求まります。この換算は、放射線の種類によって異なる生物学的効果を考慮したものです。
ラドからグレイへ

国際的な放射線防護の基準を統一するために、1977年に ラド から グレイ への移行が行われました。グレイは、フランスの物理学者ルイ=ヴィクトル・ピエール・レイモン・ド・ブロイにちなんで名付けられ、国際単位系(SI)の absorbed dose(吸収線量)の単位です。1グレイは、1キログラムの物質に1ジュール分のイオン化放射線が吸収されたときに与えられる吸収線量です。 ラド と グレイ の換算係数は、1ラド = 0.01グレイです。この変更により、国際的に一貫した放射線量測定基準が確立されました。
グレイのメリット

放射線の吸収線量の単位として「ラド」が使用されていた時代には、エネルギー吸収係数が各物質ごとに異なるという問題がありました。これにより、異なる物質に対する吸収線量の比較が困難となっていました。
そこで導入されたのがグレイ(Gy)という単位です。グレイは、物質に吸収されるエネルギー量自体に着目した単位で、エネルギー吸収係数の影響を受けません。そのため、物質の違いに関係なく、吸収線量を同一の基準で比較できるようになりました。
ラドの廃止

ラドの廃止
1953 年にラドが定義されてから数十年が経過した 1985 年、国際放射線量単位委員会 (ICRU) はラドの廃止を決定しました。その理由は、ラドがエネルギー伝達に関する情報を含んでおらず、生物学的影響の評価に適していないことでした。さらに、ラドという単位が一般の人々には理解しにくいという点も考慮されました。