重水減速炭酸ガス冷却型原子炉

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉

原子力を知りたい

重水減速炭酸ガス冷却型炉について教えてください。

原子力マニア

重水減速炭酸ガス冷却型炉(HWGCR)は、重水を減速材として、炭酸ガスを冷却材として使用する原子炉です。英国が開発を始めたものの中止し、フランス、ドイツ、スロバキアで建設されました。

原子力を知りたい

この炉の利点はありますか?

原子力マニア

HWGCRの利点は、減速材と冷却材の組み合わせの自由さ、現地組み立ての容易さです。また、燃料チャンネル型の採用により、燃料の交換や補修が容易になります。

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉とは。

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉(HWGCR)は、原子力分野における用語です。重水減速とガス冷却の技術を組み合わせたもので、減速材と冷却材を自由に選択でき、据え付けが容易なため、燃料チャンネル型構造が採用されています。主に発電用として用いられます。

英国は、黒鉛減速炭酸ガス冷却炉(GCR、AGR)を開発した後、HWGCRの開発に着手しましたが、すぐに中止し、重水減速沸騰水冷却チャンネル型炉(SGHWR)の開発に移行しました。HWGCRはフランス、ドイツ、スロバキアで建設されましたが、ほとんど稼働せず、閉鎖されました。

重水減速の利点

重水減速の利点

-重水減速の利点-

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉において、重水減速を使用する主な利点は、中性子を効果的に減速できることです。中性子の減速は、核分裂連鎖反応を維持するために不可欠です。重水は通常の軽水よりも中性子を減速する能力が高く、より効率的な核分裂反応を可能にします。

さらに、重水は中性子吸収率が低いため、核燃料を節約できます。中性子吸収率が低いということは、中性子が燃料原子核ではなく重水分子に吸収される可能性が低いためです。結果として、核燃料をより長く使用でき、燃料サイクルコストを削減できます。

ガス冷却炉の経験

ガス冷却炉の経験

ガス冷却炉の経験」というの下では、重水減速炭酸ガス冷却型原子炉が建設される以前のガス冷却炉の経験が述べられます。初期のガス冷却炉は、1956年にイギリスで稼働したコールダーホール原子力発電所で用いられました。この原子炉はマグノックス型と呼ばれるもので、天然ウランを燃料とし、二酸化炭素を冷却材としていました。マグノックス型原子炉はその後、イギリスやフランスで多数建設されました。

燃料チャンネル型を採用した理由

燃料チャンネル型を採用した理由

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉という言葉を燃料チャンネル型と結びつけて理解することが重要です。燃料チャンネル型とは、核燃料を収容する金属製の筒状の容器を炉心に多数配置する原子炉設計のことです。

この設計が採用された理由としては、次のようなものがあります。まず、重水減速剤は、軽水減速剤よりも中性子を効率的に減速させるため、核燃料の消費を節約できます。さらに、炭酸ガス冷却剤は、高い沸点と低い腐食性を持ち、原子炉の安全性を向上させます。

また、燃料チャンネル型設計では、燃料チャンネル内の核燃料を交換できます。これにより、原子炉を停止せずに燃料補給を行うことが可能になり、稼働率の向上につながります。さらに、燃料チャンネルは個別に制御できるため、炉心の形状の柔軟性が高まり、出力調整が容易になります。

開発経緯

開発経緯

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉は、1950 年代後半に英国で開発された原子炉の نوعです。この炉型は、減速材に重水を使用し、冷却材に二酸化炭素ガスを使用するのが特徴です。

当初の開発動機は、プルトニウムを生産するための軍事利用でした。しかし、その後、発電用原子炉としての利用も検討されるようになりました。1960 年代には、英国でカルダーホール原子力発電所に初めて商用炉が建設されました。その後、フランスや日本でも採用され、現在でも世界各地で運転されています。

建設・閉鎖の経緯

建設・閉鎖の経緯

重水減速炭酸ガス冷却型原子炉の建設・閉鎖の経緯を紐解いていこう。この原子炉は、1963年に開発が開始された。構造は、高温の二酸化炭素を冷却材として用い、重水を減速材として使用するものであった。その特徴として、燃料のウラン濃縮度が低く、ウラン資源の利用効率が高いことが挙げられる。

日本においては、この原子炉の建設が1965年に計画された。1966年に福島県大熊町に発電炉1号機が着工し、1976年に運転を開始した。その後、1971年にも発電炉2号機が建設され、1978年に運転を開始した。しかし、この原子炉の運転は長くは続かず、発電炉1号機が1997年に、2号機は1998年に閉鎖された

閉鎖の理由は、耐震安全性や経済性の問題が挙げられる。耐震安全性については、福島第一原子力発電所の事故を受けて、より厳格な基準に見直しが図られた。また、経済性については、ウラン濃縮度の低さ故にウランの利用効率は高いものの、建設費が高額であったことなどが影響した。このような経緯から、重水減速炭酸ガス冷却型原子炉は日本では実用化に至らず、すでに閉鎖されている。