DNB(核沸騰離脱)とは?

原子力を知りたい
『DNB』について教えてください。

原子力マニア
DNBとは『Departure from Nucleate Boiling(核沸騰離脱)』の略で、沸騰曲線上で熱流束が増加して核沸騰から遷移沸騰へと移行する点を指します。

原子力を知りたい
沸騰曲線って何ですか?

原子力マニア
沸騰曲線は、過熱度(伝熱面温度と冷却水の飽和温度の差)と熱流束(伝熱面から冷却水への熱の移動)の関係を表す曲線です。
DNBとは。
原子力用語で「DNB」と呼ばれる「核沸騰離脱」とは、沸騰の過程において、核沸騰から「遷移沸騰」へと移り変わる地点のことです。このときの熱の出入り量を「限界熱流束」と言います。
沸騰曲線とは、伝熱面の温度と冷却水の沸点との差(過熱度)と、伝熱面から冷却水への熱の出入り量(熱流束)との関係を示した曲線です。熱流束が増加すると、伝熱面から気泡が発生し、核沸騰の状態になります。核沸騰では、気泡による攪拌によって熱伝導が非常に良くなるため、熱流束が増えても伝熱面の温度はそれほど上がりません。
しかし、熱流束がさらに増大して限界熱流束を超えると、伝熱面を気泡が覆って熱伝導の効率が低下し、遷移沸騰の状態に移ります。すると、伝熱面の温度が急激に上昇します。
原子炉では、通常の運転時や異常な変化が起こっても、燃料の局所的な熱流束が限界熱流束を超えないよう設計されています。これにより、燃料の冷却能力を維持することができます。
DNBの定義

DNB(核沸騰離脱)とは、熱伝達現象における重要な概念です。DNBとは、気泡が液体に覆われるのではなく、加熱面から直接発生する、いわゆる”核沸騰“が起きる状態のことを指します。
この現象が起こると、加熱面と液体の間に気泡層が形成され、熱伝達が著しく低下します。その結果、加熱面の温度が急上昇し、最終的には材料の損傷や破壊につながるおそれがあります。
沸騰曲線とDNBの関係

沸騰曲線とDNBの関係
DNB(核沸騰離脱)は、沸騰曲線上の重要なポイントです。沸騰曲線とは、熱流束と表面温度の関係を示すグラフです。DNBは、曲線上の急激な上昇部が終了する点に対応します。この上昇部では、液体中の泡が急激に大きくなり、蒸気膜が表面を覆って熱伝達が阻害されます。上昇部が終わると、熱流束は再び急激に低下し、これがDNBの発生するポイントです。DNBを超えると、蒸気膜が完全に形成され、表面の熱伝達がさらに損なわれます。
核沸騰と遷移沸騰

-核沸騰と遷移沸騰-
核沸騰とは、液体中の小さな気泡が加熱によって発生し、液体の表面に到達して蒸発する現象のことです。このとき、液体と気体の界面に気泡が多数発生し、液体表面が沸騰しているように見えます。一方、遷移沸騰は、核沸騰によって形成された気泡が大きくなり、液面全体を覆うような層を作る現象です。遷移沸騰では、液体が蒸発する速度が遅くなり、熱伝達効率が低下します。
遷移沸騰は、核沸騰よりも高い熱負荷で発生し、蒸気ブランケットが形成されることで液体と熱源との接触が遮断されます。このため、遷移沸騰の際には、局所的な過熱や熱損傷が発生する危険性があります。そのため、熱伝達システムの設計において、遷移沸騰を避けることが重要とされています。
限界熱流束の重要性

限界熱流束とは、熱交換器の表面から液体へ伝達できる熱量の最大値を指し、DNBの重要な側面です。限界熱流束に達すると、熱伝達が急激に悪化し、液体は蒸気に急速に変わり始めます。
これにより、熱交換器の表面温度が上昇し、機器の損傷や破損につながる可能性があります。したがって、限界熱流束を正確に予測することは、DNBの発生を防ぐために不可欠です。限界熱流束は、熱交換器の設計、運転条件、流体の特性など、さまざまな要因によって影響を受けるため、エンジニアはDNBの危険性を評価するためにこれらの要因を慎重に考慮する必要があります。
PWR炉心におけるDNBの考慮

PWR炉心におけるDNBの考慮
PWR炉心におけるDNBは、炉心内の伝熱限界であり、この限界を超えると燃料被覆管が大きく損傷する可能性があります。PWRの炉心設計では、DNB発生を防止するために十分な熱除去マージンを確保する必要があります。これは、燃料棒の冷却を確保し、燃料被覆管の健全性を維持するために不可欠です。
DNBを引き起こす主な要因は、局所的な熱流束、冷却材の流量、冷却材の質量流束です。これらのパラメータが特定のしきい値を超えると、冷却材が燃料棒の表面を覆うことができなくなり、過度の伝熱が発生します。これにより、燃料被覆管に過度の応力が加わり、破断のリスクが高まります。
したがって、PWR炉心の設計者は、DNBを防止するために包括的な措置を講じる必要があります。これらには、冷却材の流量の均等化、熱流束の最適化、冷却材の質量流束の制御などが含まれます。また、炉心内の温度と流量を慎重に監視して、潜在的なDNBの兆候を早期に検出することも重要です。