原子力用語『D−T反応』

原子力を知りたい
D−T反応ってどうやって核融合を引き起こすんですか?

原子力マニア
重水素と三重水素という軽い核を衝突させることで、電荷の反発力に打ち勝って反応を起こします。

原子力を知りたい
そのための衝突速度はどれくらい必要なんですか?

原子力マニア
時速1000km以上、つまり加熱温度でいうと1億度以上の速さが必要です。
D−T反応とは。
原子力関連の用語である「D-T反応」とは、重水素(D)と三重水素(T)による核融合反応を指します。核融合は、複数の軽い原子核が融合してエネルギーを得る反応ですが、実用的に利用可能な反応は限られており、その中でも注目されているのがD-T反応です。
D-T反応では、燃料として三重水素のみが放射性元素で、重水素は海水に豊富に含まれています。反応の結果として生成されるのはヘリウム、三重水素、中性子です。ここで生成された三重水素は再び燃料として利用できます。
ただし、D-T反応を実現するには、原子核間の反発力を克服するために非常に高速で衝突させる必要があります。具体的には、時速1000km以上の速度、または温度にして1億度以上に相当する熱が必要です。また、中性子が構造材料を放射化するため、その管理も重要な課題となっています。
D−T反応とは?

D−T反応とは?原子核の重さがそれぞれ2の重水素(D)と3の三重水素(T)が融合する核融合反応です。この反応では膨大なエネルギーが発生し、<発電に使用できます>。そのため、将来のエネルギー源として期待されています。
D−T反応の利用

D−T反応の利用は、そのエネルギー生成能力に注目が集まっています。この反応は、重水素(D)と三重水素(T)を核融合させ、ヘリウム(3He)と中性子を生み出します。この過程で放出されるエネルギー量は非常に大きく、電力の安定した供給源として期待されています。
D−T反応の原料

–D−T反応の原料–
D−T反応の原料となるのは、重水素(D)と三重水素(T)という2種類の同位体です。重水素は普通水にもごく微量に含まれていますが、トリチウム(三重水素)は半減期が12.3年と短いため、自然界ではほとんど存在しません。そのため、核融合炉ではトリチウムを人工的に作ることが必要になります。現在、最も有力視されている方法は、リチウムを燃料とする核融合炉で核反応を起こす方法です。
D−T反応の生成物

-D−T反応の生成物-
D−T反応では、重水素(D)と三重水素(T)が融合してエネルギーが放出されます。この反応によって2つの主要な生成物が得られます。
1つ目は、ヘリウム原子核で、α粒子と呼ばれます。α 粒子は帯電した物質で、ヘリウムの原子核とまったく同じです。D−T反応では、α粒子が大量のエネルギーを放出して飛び出します。
もう1つの生成物は、中性子です。中性子は荷電を持たない物質で、D−T反応ではα粒子よりもわずかに少ないエネルギーで放出されます。中性子も大量のエネルギーを持ちますが、α粒子とは異なり、物質を直接電離することはできません。
構造材の放射化管理の必要性

原子力用語『D−T反応』とは、重水素(D)と三重水素(T)を核融合させる反応のことです。この反応では、莫大なエネルギーが放出されます。しかし、この反応を利用した核融合炉では、中性子線を防ぐ必要がある重要な問題があります。
中性子線は、原子核融合の過程で発生する非常にエネルギーの高い粒子のことです。中性子線は構造材に当たると、原子核に衝突して放射性元素を生成します。この放射化によって構造材の耐久性が低下し、使用できなくなります。そのため、核融合炉の建設や運用には、構造材の放射化管理が不可欠な課題となっています。