人工放射性核種とは?原子炉や加速器で作られる放射性元素

原子力を知りたい
先生、『人工放射性核種』って何ですか?

原子力マニア
人工的に作られた放射性物質のことだよ。例えば、鉄やコバルトを原子炉で中性子と反応させると、放射性の55Feや60Coができるんだ。

原子力を知りたい
原子炉以外にもあるんですか?

原子力マニア
サイクロトロンなどの粒子加速器でも作れるし、原子炉内で核分裂するときの生成物(核分裂生成物)にも含まれるよ。
人工放射性核種とは。
「人工放射性核種」とは、原子炉やサイクロトロンなどの粒子加速器で、ある元素の核が核変換されてつくられる放射性核種のことです。たとえば、鉄(Fe)やコバルト(Co)などの元素が、原子炉内で中性子を吸収して、放射性同位体の55Feや60Coになります。また、原子炉内でウラン235が核分裂すると、さまざまな放射性核種が発生します。これを核分裂生成物といいます。一方、核実験によって生成された核分裂生成物で、環境中に放出された放射性核種としては、ストロンチウム90(90Sr)やセシウム137(137Cs)などが知られています。
人工放射性核種とは?

人工放射性核種とは、原子炉や加速器などの施設で人為的に作り出される放射性物質のことです。自然界では見られない新しい元素や、自然界では安定的な同位体しか存在しない元素の不安定な同位体が含まれます。こうした人工放射性核種は、医学、産業、科学研究などさまざまな分野で利用されています。
人工放射性核種を生成する方法は、主に2種類あります。ひとつは原子炉を利用する方法で、原子炉内で原子核分裂反応を起こさせます。もうひとつは加速器を利用する方法で、原子核に粒子を衝突させて原子核反応を起こさせます。
原子炉による人工放射性核種の生成

原子炉では、原子核分裂反応を利用して人工放射性核種が生成されます。原子炉内で、ウランなどの原子核が中性子と衝突すると、分裂してバリウムなどの軽い原子核とエネルギーを放出します。この際、分裂した原子核の一部に中性子が取り込まれると、不安定な放射性同位体が生成されます。こうした放射性同位体は、半減期を経て放射線を放出し、安定な原子核に戻ります。原子炉で生成される人工放射性核種は、医療や工業、研究などさまざまな分野で利用されています。
粒子加速器による人工放射性核種の生成

粒子加速器による人工放射性核種の生成は、原子核反応を利用する方法で行われます。粒子加速器では、粒子(陽子やイオンなど)を極めて高いエネルギーまで加速します。この加速した粒子を、安定な標的原子核に衝突させると、原子核反応が発生し、新しい核種が生成されます。この核種の中には、放射性を持つものが含まれていて、人工放射性核種と呼ばれます。生成される放射性核種の種類と量は、加速された粒子の種類やエネルギー、標的原子核の種類などによって異なります。
核分裂生成物

核分裂生成物は、原子炉でウランやプルトニウムなどの核燃料が核分裂反応を起こす際に発生する放射性元素です。核分裂では、核分裂しない新しい原子核が生成される一方、いくつかの軽い核分裂生成物が飛散します。これらの生成物は、安定した原子核になるまで放射性崩壊を続けます。
核分裂生成物は、放射性物質として知られており、種類によっては数秒から数千年の半減期を持ちます。代表的な核分裂生成物としては、ヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90などが挙げられます。これらの核分裂生成物は、放射線放出により、生物に健康被害をもたらす可能性があります。
核実験による人工放射性核種

核実験もまた、人工放射性核種の発生源となります。核実験では、ウランやプルトニウムなどの核分裂性物質が核兵器として使用されます。この核分裂反応により、さまざまな放射性核種が生成されます。これらの核種には、ウラン238の核分裂生成物であるヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90などが含まれます。また、核融合反応でも人工放射性核種が発生しますが、核分裂反応に比べて量は大幅に少なくなります。