改良型軽水炉「AP600」の仕組みと特徴

改良型軽水炉「AP600」の仕組みと特徴

原子力を知りたい

AP600とは何ですか?

原子力マニア

AP600は、改良型軽水炉計画に従って開発された電気出力600MWの改良型PWRです。

原子力を知りたい

AP600の特徴は何ですか?

原子力マニア

大きな特徴として、安全注入系や余熱除去系などの冷却系にポンプではなく重力や自然循環を利用する受動的安全システムを採用していることです。

AP600とは。

「AP600」とは原子力分野で用いられる用語で、米国のエネルギー省(DOE)と電力研究所(EPRI)による改良型軽水炉計画に基づき、ウェスチングハウス(WH)社が開発を進めている新型原子炉です。

従来の原子炉と大きく異なる点は、電気出力が600MWであること、蒸気発生器が2基、主冷却ポンプが4台備わっていることです。また、安全性向上のため、安全注入系、余熱除去系、格納容器冷却系にポンプを使用せず、重力や自然循環による受動的安全システムを採用しています。これにより、プラントの規模を大幅に縮小することができました。

AP600とは何か?

AP600とは何か?

改良型軽水炉「AP600」の概要を知るには、まずは「AP600とは何か?」を理解することが不可欠です。AP600はウェスティングハウス・エレクトリック社が開発した次世代軽水炉で、発電容量が60万キロワットの原子炉です。従来の軽水炉と同様に、核分裂によって発生する熱で水を沸騰させ、その蒸気を使ってタービンを回して発電します。しかし、AP600は安全性の向上と経済効率の改善を目的とした革新的な設計を特長としています。

従来型PWRとの違い

従来型PWRとの違い

-従来型PWRとの違い-

改良型軽水炉「AP600」は、従来型の加圧水型原子炉(PWR)と構造や運転方式が異なります。主な違いの一つは、AP600では受動安全システムを採用していることです。これは、異常時に重力や自然循環などの自然力を利用して炉心を冷却するシステムで、外部電源に依存しません。

また、AP600では、原子炉格納容器と原子炉建屋が一体化されています。これにより、原子炉建屋を省略でき、建設費を削減することができます。さらに、原子炉圧力容器を小型化し、内部構造を簡素化することにより、製造と保守が容易になっています。これらの設計上の改善により、AP600は従来のPWRに比べて建設費や運転費の削減が期待されています。

受動的安全システムの仕組み

受動的安全システムの仕組み

AP600の受動的安全システムの仕組みは、深刻な事故が発生した場合でも、人間の介入なしに炉心を冷却し、放射性物質の放出を防ぐように設計されています。このシステムは、以下の主要コンポーネントで構成されています。

* -重力駆動安全性強化システム (GDCS)- 地震やその他の外部イベントでポンプが停止した場合、重力によって水タンクから冷却水が炉心に流れます。

* -自動加圧減圧システム (ADS)- 過度の圧力が炉内に発生すると、ADSが自動的に開いて余分な圧力を逃がします。

* -受動的残留熱除去システム (PRHR)- 冷却材が失われた場合でも、PRHRは炉心からの残留熱を自然対流によって除去します。

これらのシステムは、事故時に人間が介入する必要性を排除し、安全性を大幅に向上させます。また、これらのシステムは、外部電源がなくても機能するように設計されており、長期にわたる停電時でも炉心の崩壊を防ぐことができます。

プラント物量の低減

プラント物量の低減

改良型軽水炉「AP600」は、プラント物量の低減を図っています。従来の軽水炉に比べて、建屋の容積を約半分に、重量を約3分の1に削減しました。これは、モジュール化された構造と、統合化されたシステムを採用しているためです。モジュール化された構造は、工場で製造され、現場で組み立てられるため、建設期間の短縮とコスト削減につながります。統合化されたシステムは、複数の機器を1つのユニットに集約することで、配管や配線の複雑さを低減し、プラントの効率を向上させます。このプラント物量の低減により、建設コストの削減だけでなく、運転・保守の簡略化と安全性の向上にも貢献しています。

AP600の安全性

AP600の安全性

AP600の安全性

改良型軽水炉「AP600」は、その設計に安全性が重視されています。二重の一次冷却系、大型の格納容器、パッシブ冷却系などの特徴があります。

二重の一次冷却系は、放射性物質の漏洩を防ぐ冗長性を提供します。大型の格納容器は、事故時に放射性物質の放出を抑制します。一方、パッシブ冷却系は、外部からの電源や人的介入に依存せずに、事故時に炉心を冷却することができます。このシステムは、重力と自然循環を利用して、炉心から熱を逃がします。これにより、緊急時にシステムの信頼性を向上させ、事故による影響を最小限に抑えることができます。