知っておきたい原子力用語:加圧水型炉

原子力を知りたい
『加圧水型炉(Pressurizedwaterreactor(PWR))』とはどのような原子炉ですか?

原子力マニア
加圧水型炉は、軽水炉(LWR)の一種で、減速材と冷却材として軽水を使用します。

原子力を知りたい
その特徴を教えてください。

原子力マニア
特徴としては、一次冷却系統に高圧をかけ、沸騰を防いで高温水として蒸気発生器に導くという間接サイクル方式を採用しています。
加圧水型炉とは。
日本の発電用原子炉で最も多く稼働している軽水炉(LWR)には、加圧水型炉(PWR)と沸騰水型炉(BWR)の2種類があります。
加圧水型炉(PWR)は、減速材と冷却材に軽水を使用しています。炉心内の冷却水を沸騰させないようにするため、一次冷却系には100〜160気圧の高圧力がかけられています。
この冷却水は、沸騰することなく高温の水に熱せられ、蒸気発生器へと送られます。高温の冷却水は、蒸気発生器で別の水(二次冷却水)に熱を伝えて蒸気に変え、発電機のタービンを動かす仕組みです。
定義と仕組み

-加圧水型炉(PWR) 定義と仕組み-
加圧水型炉 (PWR)は、原子力発電所で一般的に使用される原子炉の種類です。PWR は、次のような構造と動作原理を特徴としています。
仕組みPWR では、核分裂によって生成された熱が 一次冷却水に伝達されます。一次冷却水は加圧され、約 300 気圧に保たれています。この高圧により、一次冷却水が沸騰するのを防ぎ、原子炉のコアを冷却できます。
高い圧力に保たれた一次冷却水は、 蒸気発生器 と呼ばれる熱交換器で二次冷却水と熱を交換します。二次冷却水は タービンを駆動する蒸気へと変換され、発電を行います。一方、一次冷却水は加圧され、原子炉のコアに戻されます。
このように、PWR では一次冷却水と二次冷却水という2つの冷却水系を使用することで、原子炉のコアを安全かつ効率的に冷却しながら発電を行っています。
低濃縮ウラン燃料

加圧水型炉(PWR)で使用される燃料は、低濃縮ウラン燃料と呼ばれるものです。低濃縮ウランとは、ウラン235という核分裂性物質の濃度が4%未満のウランのことです。PWRでは、ウラン鉱石から抽出されたウランを精製して濃縮度を3~5%まで高めます。この濃縮度であれば核分裂が制御可能な範囲で起こり、安定した発電が可能になります。低濃縮ウラン燃料は、高濃縮度が不要であるため、核拡散防止の観点からも推奨されています。
冷却材の軽水

このタイプの原子炉で用いられる冷却材は「軽水」と呼ばれる純粋な水です。軽水とは、原子番号1の軽水素(プロチウム)と原子番号8の酸素のみからなる水のことで、通常の重水(原子番号2の重水素(デューテリウム)を含む水)とは異なります。軽水は原子炉内で多目的役割を果たし、中性子を減速して反応を制御する「減速材」としてだけでなく、炉心から発生した熱を吸収して外部へ運ぶ「冷却材」としても機能しています。
間接サイクル方式

-間接サイクル方式-
加圧水型炉では、間接サイクル方式が採用されています。この方式では、原子炉内の一次冷却水が発電に直接使用されません。代わりに、一次冷却水が熱交換器で二次冷却水を加熱し、その二次冷却水がタービンを駆動して発電を行います。この構造により、一次冷却水と二次冷却水を分離することができ、放射性物質が発電システムに混入しないようにしています。また、二次冷却水の温度や圧力を調整することで、より安全で効率的な発電が可能になります。
蒸気発生器の役割

加圧水型炉(PWR)における重要な構成要素の一つが蒸気発生器です。この機器は、一次冷却系と二次冷却系をつなぎ、熱を伝達させる役割を果たしています。
一次冷却系を流れる一次冷却水が蒸気発生器の伝熱管を通ると、伝熱管の外側を流れる二次冷却水により熱が奪われ、二次冷却水が蒸気へと変化します。一次冷却水は熱を失うことで温度が下がり、再び炉心に戻されて加熱されます。
このメカニズムにより、一次冷却系と二次冷却系の間で熱が伝達され、一次冷却系が高温・高圧で閉じられた系に保たれる一方、二次冷却系は蒸気タービンを駆動するために使用されます。蒸気発生器は、原子力発電所の安全で効率的な運転を確保するための不可欠な機器です。