原子力用語「ガドリニア濃度」を解説

原子力を知りたい
先生が教えてくださった『ガドリニア濃度』について、もう少し詳しく教えてください。

原子力マニア
ガドリニア濃度とは、軽水炉燃料に混ぜられる酸化ガドリニウム(ガドリニア)の割合のことです。ガドリニウムは中性子を吸収する性質があるので、反応度を制御するために燃料に混ぜられます。

原子力を知りたい
ガドリニウムが中性子を吸収するとどうなるのでしょうか?

原子力マニア
ガドリニウムが中性子を吸収すると、核種転換が起こって別の種類の原子になります。この核種転換によって、ガドリニウムが減少し、燃料の反応度が低下します。また、ガドリニウムは「燃焼」と呼ばれ、反応度低下を補います。
ガドリニア濃度とは。
軽水炉の燃料には、-ガドリニア濃度-と呼ばれる酸化ガドリニウムの割合が含まれています。単位は通常、重量パーセントです。ガドリニウムの同位体である155Gdと157Gdは、低速の中性子を強力に吸収します。
そこで、酸化ガドリニウム(Gd2O3)の形で、一部の濃縮ウラン燃料に混ぜて使用されます。これにより、燃料装荷時の反応度を抑え、燃料の燃焼に伴う原子炉内の反応度変化を制御しやすくします。
燃料の燃焼が進むと、ガドリニウム自体も中性子を吸収して原子核が変化し、量が減少します(この現象も「燃焼」と呼ばれ、ガドリニアは-燃焼性毒物-と呼ばれます)。これにより、核分裂性物質の減少に伴う反応度低下を補うことができます。
従来は燃料中に5%程度の濃度で含まれていましたが、燃料の燃焼度が高まり、燃料が炉内で滞在する期間が長くなったため、10%程度の高濃度の燃料も製造されています。
ガドリニア濃度とは?

-ガドリニア濃度とは?-
原子炉の燃料の中でガドリニア(Gd2O3)という元素が占める割合を表すのが「ガドリニア濃度」です。ガドリニアは、中性子を吸収する性質があり、原子炉の制御棒としても利用されています。
ガドリニアを燃料に加えると、中性子吸収量が上昇し、原子炉の反応性を低減させることができます。つまり、より安定して制御された原子炉の運転を可能にします。このため、ガドリニアは、原子炉の安全性を向上させるために利用されています。
ガドリニウムの特徴

ガドリニウムの特徴
ガドリニウムは、希土類元素の1種で、銀白色の金属です。磁性を持つ元素として知られており、磁石の材料として利用されています。また、中性子吸収断面積が大きく、原子炉の核分裂反応を制御するために使用される制御棒の材料としても用いられます。さらに、ガドリニウムは蛍光体として照明や医療診断用の造影剤としても使用されています。
ガドリニア濃度の役割

ガドリニア濃度の役割
原子炉の燃料として使用されるウラン燃料には、ガドリニアという物質が添加されています。ガドリニアは、ウラン燃料に核反応を制御する役割を果たします。核反応はエネルギーを発生させますが、制御されないと暴走する可能性があります。ガドリニアは原子炉内で中性子を吸収し、核反応の速度を低下させます。これにより、原子炉の安全で安定した運転が確保されます。また、ガドリニアは燃料の燃焼効率を高める働きもあり、原子炉の経済性を向上させます。
可燃性毒物としてのガドリニア

ガドリニアは可燃性毒物として知られています。粉末状のガドリニアは、空気中で燃焼すると有毒なフッ化ガドリウムを生成します。このため、ガドリニアを扱う際には、吸入や皮膚接触を防ぐ適切な予防措置を講じることが不可欠です。また、火災や爆発の危険性を低減するために、換気の良い場所で粉塵を最小限に抑えて取り扱う必要があります。
ガドリニア濃度の変遷

ガドリニア濃度は歴史的に変遷してきており、当初は10wt%程度でしたが、改良を重ねる中で徐々に濃度が高められています。これは、ガドリニアの燃焼挙動が改善されて、燃料消費率の向上が図られたためです。現在では、16wt%から18wt%程度の濃度が一般的となっており、高い燃焼効率と安全性を両立しています。